PRODUCTS
ドラムシティ オリジナル スティック 其の5 小さいチップのモデル3種 STRAIGHT AHEAD・MMR・Standing There
この世には無数の種類のスティックが存在しますが、皆さんはどんなスティックをお使いでしょうか?
長さ、太さ、重さ、バランス、チップの形、素材など、こだわる点が沢山あると思います。
スティックメーカーやドラムメーカーからも数多くの選択肢が提供され皆様の要望に応えるべく、常にラインナップは拡張と収縮を繰り返しています。
しかし、「あのモデルのここがもう少しこうなっていれば」、「廃番になってしまったあのモデルが欲しい」など、様々な意見を寄せられることも少なくはありません。そんな中、ドラム・シティではこだわり抜いた、痒い所に手が届く数種類のオリジナルスティックをご用意。
ドラム・シティ オリジナルスティックレビュー第5弾!!
今回も引き続き、浅草ドラム道場 講師の市川宇一郎氏に講評をいただき、その使用感やこだわりポイントをお伝えして参ります。
皆さんのスティック選びにご活用いただけたらと思います。
※この記事は2022年4月発行「JPC 172号」に掲載されたものに加筆修正をしたものです。
▶ 今回ご紹介するのは「STRAIGHT AHEAD」「MMR」「Standing There」
ドラムシティ・オリジナルスティックの中でもチップの小さい3種類をピックアップ。
小さいチップの特徴は音の粒立ちの良さとスティックコントロールのし易さです。
細かなニュアンスを伝えやすく、ジャズドラムのシンバルレガートからコンサートスネアのピアニッシモ時の音の粒まで幅広くカバーできます。
▶ 市川宇一郎さんに実際に試していただき、使い心地など、感想を伺いました
今回は、ドラムシティ・モデルのなかでも、小さなチップを持つものをまとめて紹介することにしました。と言うのも、これらには共通する点があるからなのです。
さっそく説明しましょう。
まずは、この小さなチップを見てください。ホントに小さいでしょ。これでシンバルを打つと、どうなるか? いろんなスティックを使ったことのあるドラマーなら知っているでしょうが、「ジャンジャン」ではなくて「コツコツ」という抑制の利いた小さな音、つまり暴れないまとまりのある音になるんです。
本来なら、こういう音はショットの基本を身につけて、ヌケの良い存在感のある音を出せるようになったドラマーが、振りの大きさをコントロールして小さく整った音をつくり出すんですが、今回のようなスティックを使うと、それが出来ていない人でもソコソコできちゃう。
しかし、そんな反面、このスティックで太くヌケの良い音を出すのはカンタンなことではありません。中級レベルのドラマーにだって、できない人はいます。そういう意味では上級者向きのスティックなのかも知れません。
ところで、このチップの小さいモデルがもっとも効果をあげるのは、なんと言っても録音の場です。読者のなかには、バンド録音で、シンバルの音に不自然な強弱がついて困ったという人もいることでしょう。そんなとき便利なのがこのス
ティックなんです。多少ちから加減がバラついても、シンバルにはさほど影響しません。ほんとなら練習を積んで解決しなけりゃいけない問題ですが、応急の対応策としては使えます。思い切りシンバルを叩いても、ゼンゼンうるさくないし、叩き方にバラつきがあっても、けっこう整っちゃうんです。
でも、難点もあります。ハードロックなロックなどでドカンッと叩いても、思ったほど迫力は出ません。どうしてもこぢんまりしちゃう。「それじゃー」と力を入れて「エイッ!」と叩けば、小さなチップはヘッドに食い込み、オソロシイ窪みをつけることになります。
まぁ、そこまで力を入れる人も少ないと思いますが…。
そんなふうに長短はあるものの、小チップ・モデルは先端部分が軽く振りやすいため、ビギナーに好まれるんですね。「あっ、これ叩きやすそう」って。でもビギナーには、ごくふつうのチップが小さすぎず大きすぎずのバランスのとれたスティックでしっかりとドラムを鳴らせるようになってから、今回のモデルを使うのをオススメします。
また、中級レベル以上のドラマーは、これらのモデルを使って、音が軽薄にならず太く重い音が出せるかどうかをチェックするといいでしょう。いい音が出せたら、アナタのショットはかなり高いレベルにありということですからね。
それじゃ、レッツ・トライ!
執筆者:市川 宇一郎 、ドラムシティ(木澤)