PRODUCTS|もの
Perc.ちょこっと豆知識 Vol.1 ~カホン編~
「Perc.ちょこっと豆知識」は、エスニックシティ店頭で、お客様から度々質問される事柄を、できるだけシンプルでわかりやすく解説していくシリーズです!
記念すべき第1弾は、カホンについてお話していきたいと思います。
カホン|Cajon とは
「え? これが楽器なの?」
今では大変ポピュラーな楽器になったカホンですが、初めて見た人は、おそらく誰もがそう思うでしょう。
一見、ただの四角い木の箱かスピーカー、椅子にしか見えない楽器。それがカホン。
その名も見た目通り、スペイン語で「箱」という意味。
19世紀、アフリカから中南米に渡った黒人たちが、唯一の楽しみとして楽器の代わりにタンスの引き出しや積み荷の木箱をたたいたのが始まりだといわれています。
高さ50センチほどの木の箱の楽器で、その上に腰掛け、箱の前面や側面を手のひらでたたいて音を出します(足やバチを使うプレイヤーもいます)。
箱の中は空洞で、側面に空いたリンゴの大きさ程の穴から空気が抜けるようになっています。シンプルな構造ですが、音色は多彩で、たたく位置によって高低さまざまな音が出すことができ、これ一台でドラムセットの代わりとしてスネアドラムやバスドラムのような音を出すことが出来ます。
メーカーや国によって様々な形の物がありますが、打面の板の止め方や穴の位置などによっても全く雰囲気の違う音色になります。
カホンの歴史
カホンといえばスペインを想像する人が多いと思います。それは、フラメンコの舞台で使われている場面を目にする機会が多いからかもしれません。しかし実際には、1960年代にペルーのミュージシャンからカホンをプレゼントされたフラメンコギターの巨匠「パコ・デ・ルシア」が、自らの演奏に取り入れるようになったのが始まりだと言われています。
カホンの歴史には諸説ありますが、先に書いたとおり、19世紀、アフリカから中南米に渡った黒人たちが、タンスの引き出しや積み荷の木箱をたたいたのが始まりだという説が有力です。
※余談ですが、本場ペルーでは文化財に指定されているそうです。
カホンの種類
日本では『ペルー・スタイル』『フラメンコ・スタイル』と呼ばれている箱型のものが有名です。
本家『ペルー・スタイル』のカホンには響き線は無く、構造的にはなんの仕掛けもない、ただの箱です。
それに対し、日本で一番目にする機会の多いが『フラメンコ・スタイル』。フラメンコ・カホンの最大の特徴はなんと言ってもさわり弦の存在でしょう。この弦が打面に触れる事によってザラザラした独特の音が得られます。
さわり弦の中には、当り具合を調節できる物もあり、多彩なサウンド作りに一役買っています。さわり弦には、ギター弦のような巻き弦を使用したり、スネアドラムのスナッピーを使っているもの、さらには鈴が付けられている物もあります。
他のタイプとしては、『キューバ式(キューバンスタイル)』と呼ばれている円錐形や角錐状の形を逆さにしたようなものがあります(SchlagwerkのYAMBÚ DRUMはキューバンスタイルのカホンと言って良いでしょう)。カホンを椅子などに座り、足の間に挟んで叩くスタイルが有名で、これはコンガやボンゴの演奏の影響であると思われます。キューバンスタイルのカホンには響き線が着いていないのが一般的です。
さわり弦ついて
では、現在国内で主流となっているフラメンコスタイルカホンのさわり弦の違いについて解説していきましょう。
メーカーや生産国によって様々なタイプがありますが、さわり弦の違いで大きく2種類に分けることが出来ます。
1、響き線タイプ(スナッピー)
スネアドラムの裏側についているコイル巻きの金属が打面につけてあるタイプ

2、弦タイプ
ギター弦でいう5弦や6弦といった少し太めの弦が打面につけてあるタイプ

どちらもタイプもドラムの代わりとしてアコースティックな編成などで活躍しますが響き線と弦という構造の違いから音色が変わります。
響き線タイプと弦タイプの音色の違い、また長所と短所をスタッフなりにまとめてみました!
・響き線タイプ
長所
- 大きな音でしっかりした響きのある音を出せます。
- 打面全体を響き線で押さえつけているわけではないので程よいスネア音とどっしりとした低音で箱が鳴っている感じ(箱鳴感)を楽しめます!
- 調整いらずでそのまま叩けるので初心者さんにもおすすめです。
短所
- 指やブラシを使っての細かい音色
- 小さな音での演奏(弱く叩いたときの響き線の反応が弦タイプと比べるとすこし鈍いです)
・弦タイプ
長所
- 打面の上から下まで弦がビシっと張られているためスネア音の立ち上がりが早く反応が良いです。指やブラシを使った細かな動きにもしっかり反応してくれます。
- 打面全体に張られた弦がミュートになるので叩いた後の音があまり響きません。響き線タイプよりタイトですっきりとした音の印象があります!
短所
- 響き線タイプに比べて音がタイトで反応が良いので少しのミスも逃さず拾います。(ごまかしがきかない….。)
- 弦を常に張っているので年月とともに弦が緩んできます。緩んだ際に弦の状態を見ながらの調整が必要になります。(主に付属の六角レンチでカホン底面の六角を回しての調整)※無理に弦を張ると弦が早くに傷み、弦の切れる原因にもなります。(張りすぎ注意!)
以上のことからそれぞれこんな方にお勧めいたします。
響き線タイプ
- 大きな音で箱鳴り感をしっかりと体感したい方。
- 調整などを気にせず気軽に楽しみたい方。
- 低音に響き線の音をあまりのせたくない方。(カホンの種類によっては響き線を取り外せるものがあります。)
弦タイプ
- フラメンコなどの指やブラシを使ったパーカッシブな演奏をされる方。
- 叩いた後の余韻が響きすぎず、すっきりとした音やタイトな音が好みな方。
- 打面のミュートや弦の調整などで自分好みの調整を楽しみたい方。
おまけの豆知識
国内におけるカホンの代名詞であるSchlagwerk製や、それに追随する数々のカホンは、打面後ろに巻き弦やスナッピーを使用していますが、本来は「竹ひご」が張られていたようです。これによって打面を叩くと打面裏に竹ひごがバウンドしてスナッピーのような役目をします。サウンドは巻き弦よりまろやかで、木が本来持っている、よりアコースティックな響きだったのではないかと思われます。
まとめ
ここまでいろいろとお話しましたが箱を叩く楽器であることに変わりはありません。
弦タイプの調整なども頻繁にするものではないのであまり神経質になりすぎず気楽に楽しんでほしいと思います。
また、楽器はもちろん椅子なんかにもなるのでダイニングなどの生活の一部にも取り込みやすい素敵な楽器だなと思います。(飽きても椅子として使えます( ´∀` )/)
弊社では常時20台以上のカホンを取り揃えており、すべて試打できますので
お気軽にご相談いただければと思います!
みなさまのご来店をお待ちしております。
執筆者:エスニック・シティ 加用
編集:Ethnic City

