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ドラムヘッドのサイズがわからない!|ドラムヘッドに関する豆知識 ~その1~
※この記事は、2012年8月20日のドラムシティFacebookページへの投稿をもとに、加筆修正を加えたものとなります。
「すいません、ドラムセットのヘッドを張り替えたいんで、新しいヘッドを一式揃えたいんですが」
店頭でこんな声をたまに聞くことがある。。。
「ドラムセットの内容はどんな感じですか?」
「ごく普通のやつです!」
..........、う~ん、これは手強いぞ。
たとえそれがセンチ単位であっても、わかっていればヒントにはなるんですが。。。
◇ ◇ ◇
ドラムセットというものは、ある程度標準的な内容が決まってるとはいえ、元々がいろんな打楽器の寄せ集めであり、実際にどんな内容なのかは使っている人にしか把握できないものです。
サイズがわからないままお店に買いに行っても、お店のスタッフはちょっと困ってしまう状況になってしまいます。
自分たちの使っているドラムセットの内容をしっかり把握してもらっているのが最善なのですが、わからない場合、出来れば実際にヘッド(ドラム)の大きさを測ってきてもらうのがいいと思います。
ドラムヘッドのサイズの測り方は、
「リムの内側で最大直径」
または
「ヘッドを外したシェルの外側での最大直径」
どうせヘッド張り替えるのだから、はずすのは問題ないでしょう。
計測結果に自信がなければ外したヘッドをお店に持って行って、
「同じサイズをください!」
と伝えるのが一番間違いが無いでしょう!
◇ ◇ ◇
ここで、ヘッドなどのサイズ「インチ」に関する豆知識!
ドラムやシンバル、ヘッドのサイズを表す単位「インチ」
日本国内では一般的に長さの単位としてメートル法を使用していますが、楽器のサイズに関してはなぜだかいきなりのヤード・ポンド法! ← 当たり前のようにインチ認識してますが、どうにもややこしいです(笑)
でもって、インチをメートルに換算するには
1インチ=25.4mm (2.54cm)
とおぼえておきましょう。
スネアでもっともポピュラーな14″の口径だと35.56cm、バスドラムの22″だと55.88cmになります。
スネアドラムの直径を測ってみて大体35cmぐらいかなっていう場合は、35÷2.54=13.779527となり、まあ14インチで間違いなかな!ってことになります。
メーカーのカタログで、バスドラムやシンバルなどのサイズ表記として、
20インチ(51cm)
と記載されていることが多いと思いますが、じつはこのcm表記、近似値でわかりやすく書かれていますが実際には
20インチ × 2.54cm = 50.8cm
なんですね!
ドラムサイズ早見表
- 6インチ=15.24cm ≒ 15cm
- 8インチ=20.32cm ≒ 20cm
- 10インチ=25.4cm ≒ 25cm
- 12インチ=30.48cm ≒ 30cm
- 13インチ=33.02cm ≒ 33cm
- 14インチ=35.56cm ≒ 36cm
- 15インチ=38.1cm ≒ 38cm
- 16インチ=40.64cm ≒ 41cm
- 18インチ=45.72cm ≒ 46cm
- 20インチ=50.8cm ≒ 51cm
- 22インチ=55.88cm ≒ 56cm
- 24インチ=60.96cm ≒ 61cm
ちなみに、
各社ドラムカタログを見てみると、スタンド類のパイプ直径を、「下段パイプ25.4mm」「中段パイプ22.2mm」などと記載されていることを確認できると思いますが、これ実はなぜだかインチサイズをミリメートル換算した表記です(笑)
25.4mm=1インチ、22.2mm=7/8インチ(ホントは22.225mm)
脱線ついでインチに関する更なる豆知識!
ヘッドの厚みを示す単位として「mil」というのが使われている場面を目にしたり聞いたりしたことある方も多いと思いますが、このmilという単位も実はヤード・ポンド法の長さの単位で、
1mil=1/1000インチ(0.001インチ=0.0254mm=25.4μm)
ICの脚などの寸法やプリント基板の設計時に多く使われる単位でもあるそうです。
ヘッド最大手のREMOのアンバサダーは10mil、ディプロマットは7.5mil、エンペラーは7mil+7mil、スネアサイドのアンバサダーで3mil。
コンサートスネアドラム用として人気の高いスキントーン、フィルム自体は5milとかなり薄く、これはスネアサイドのエンペラーと同じ厚みなんですね!(← 5milフィルムに3milのファイバーをラミネートして全体で8milと表記されています)
時々ミディアムゲージのドラムヘッドを250μとか、ライトゲージを188μって表記しているものを見かけますが(asprのヘッドがそうですね)、これは、かつて1インチを約25mmと換算していた時の名残りで、実は250=10mil、188=7.5milを表しています。
(印刷業界などで使用するPETフィルムの厚みも1インチ=25mm換算のμm/マイクロメートル表記が一般的みたいです)
いろいろ興味を持って調べると楽しいことがいっぱいわかってきます。
膜鳴楽器であるドラムのサウンドの肝はドラムヘッドにあるといって過言ではありません!
ヘッド自体の特徴や特性を知ることが、なんとなく音作りの役に立つと思いませんか!?
※タイトルに「その1」ってあるので、続きがあるかもしれません(笑)
執筆者:JPC MAG 編集部