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ドラムヘッドのフィルムについて.....|ドラムヘッドに関する豆知識 ~その2~
※この文章は2013年7月10日に別の場所に投稿した内容をもとに加筆修正を加えたものとなります。
ドラムセットは膜鳴楽器である。
直接打撃を加え、音を発している部分、
それは、ドラムヘッド。。。
ドラムサウンドの肝は、ドラムヘッドであると言って差し支えないだろう。
今回は、そのドラムヘッドに使用されているフィルムについての豆知識をすこしだけ。
◇ ◇ ◇
文句なしのシェアNo.1ヘッドブランドはREMOと言い切ってしまっても誰も文句は言わないでいただけると思いますが、REMO社がドラムヘッドの素材として使用しているフィルムは一部を除いてそのほとんどがデュポン社のマイラーフィルムと呼ばれるPETフィルム。
(マイラーフィルムとは、デュポン社が開発したPETフィルムの商標。機械的強さと耐熱性に優れ、電気機器などの絶縁材などとして使用されるそうです)
ドラムヘッドの素材としてデュポンのマイラーフィルムを使用することに関して、かつてはレモ社がパテントを保有しており、他社では使えなかったようなのですが、そのパテントが切れると同時に、エバンス、アクエリアンなどの主要メーカーはこぞってデュポンフィルムを使用するようになっていったそうです。
(あくまで、聞いた話で、裏はとっておりませんのであしからず^_^;)
で、そのレモヘッドですが、ベースフィルムには透明(クリア)、白色(スムースホワイト)、黒色(エボニー)の3種類(厳密に言うとHAZYを加えた4種類)を基本としていて、ここにコーティング、ラミネート、レイヤー、サンドブラストなどの様々な加工を加え、いろいろな種類のヘッドを生み出しています。
しかし、この3色のフィルム、元々は同じ素材だということらしいです。
(これも、科学素材系の会社の方から聞いた話なので予めご了承ください)
基本となるクリアフィルムに何らかの着色用の素材を加えて白や黒のフィルムを作っているらしいです。
言うなれば、フィルムに不純物を混ぜるということになり、それによってフィルム自体のコシ、ハリ (印象としての硬さ)が微妙に変わってくるようです。
物理的に言うと
【 硬い ← クリア ↔️ ホワイト ↔️ブラック → 柔らかい 】 となるようです。
したがって、当然のことながらサウンドやタッチの印象も変わってくるのですね!
◇ ◇ ◇
余談ですが、近年レモヘッド輸入元のパール楽器では、スムースホワイトについてマイラーとは異なる「メリネックスフィルム」と表記をしているケースがあります。
前述の通り、色が違っていても基の素材は同じであると認識をしていた私は、もしかしたらこの認識には間違いがあったのか?と思い、REMO社に直接聞いてみることにしました。
結果、メリネックスと呼ばれるフィルムは、特定のタイプのマイラーフィルム(この場合スムースホワイトのこと)を指しているだけで、マイラーフィルムであるとのこと。
どうやら、Mylarとは、多様なグレードのPETフィルムを総称したブランド名となっているようです。
レモ社ではここ最近、より一般的で合理的な説明表記への変更を進めているそうで、マイラーフィルムという表記からコーテッドフィルムやクリアフィルムなどの表記方法になっています。
マイラーという表記では、あまりにも抽象的な表現になってしまうことから、この変更に踏み切ったのではないかと想像しています。
質問に対する回答では、「Remo Web サイトに示されている説明と一致することが最善である」とのアドバイスを同時にいただいているため、弊社サイト表記も順次改めていく予定です。
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まあ、どうでもいい豆知識でしたが、以前書いたフィルムの厚みと合わせ、いろいろ試す際の参考になれば幸いです。
執筆者:JPC MAG 編集部