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マルチリンク・ストレイナー・システムで大注目!majestic PROPHONIC SNARE DRUMS
2020年、60周年という節目を迎えたオランダのマジェスティック社。日本国内ではプロフォニックシリーズのスネアドラムが2016年の発売から4 年が経過しました。JPC149 号でも発売されたばかりのこのスネアドラムをピックアップし特集記事を掲載。革新的なマルチリンク・ストレイナーに注目し「あたりまえの機能になるのか、数年後が楽しみ」と締めていました。あれから文字通り数年経った今、果たしてその結果はいかに!最近、特にお問い合わせが増え、注目度がアップしているマジェスティック社のスネアドラムを改めてThe CHECK!
※この記事は2020年10月10日発行「JPC 166号」に掲載された記事に加筆・修正を加えたものです。
■驚異の高機能 マルチリンク・ストレイナー・システム
まずは、個性的で画期的なストレイナーシステムのCHECKから。
ストレイナーはオリジナリティ溢れるマルチリンク・ストレイナー・システムを搭載。このストレイナーは、自分の好みで常に音色をコントロールできるとても画期的なシステムとなっています。
4 本のそれぞれに独立した響き線を、個別操作レバーの上げ下げでスムーズかつしなやかにOn・Offのレバー操作ができます。
この4 本のスナッピー操作で奏でられる音色は、全部で15 種類。
個別操作のレバーに加えて、さらにはレバー1つで4 本全てのOn・Offがコントロールできるマスター・スローオフレバーもしっかりと搭載されています。動作時のノイズも全くありませんので静か~なシーンでも、すこぶる快適にそして周りの誰にも気付かれる事なくストレイナーOn・Offの操作が可能となっています。
スナッピーは全てレバーの1 本1 本それぞれに角頭ボルトにて直付けがされていて、スナッピーの脱着には普段使いのドラム用チューニングキィだけで作業が完了しますので、別途専用の工具を用意する必要もなく、チューニングキィとスナッピーさえ手元にあれば、いつ何時でも容易に自分でスナッピーの交換作業ができる仕様になっています。
■個性際立つ多彩なサウンドメイクを実現!マルチリンク・ストレイナー専用響き線
別売りのスナッピーには幅も素材も違う11 種ものユニークな専用スナッピーがラインナップされています。特に目を引くのが、まるで数珠を伸ばしたかの様な出で立ちの木製ビーズと、赤い2 本ラインのガラスビーズでしょうか。ビーズスナッピー単体だけでの使用は少々厳しいかもしれませんが、ケーブルスナッピーのタイトな音色の中にも少しだけ、柔らかい響きを醸し出してくれるスパイス的な存在です。
11 種類を全てを入手し、組み合わせを変えることで得られる音色総数はなんと561 種類。ただし全部揃えようとすると、スナッピーだけで別途40,000円~ 50,000円ぐらい掛かりますが…。
※画像をクリック(タップ)いただくと、オンラインショップの商品ページ遷移します。商品ページでは、個々のサウンドもご確認いただけます。
■プロフォニック・シリーズ・クラシック・スネアドラムラインナップ
●ウォールナット・スネアドラム
シェルには5.1 ㎜厚のウォールナット材(くるみ)を使用し、エッジにはレインフォースメントを装着。ウォールナット胴材のスネアドラムらしく、乾いた音色の中にもしっかりとした芯のあるアタック感と、余韻はやや少なめですが全体がまとまった歯切れの良いサウンドに仕上がっています。本体自体も非常に軽量ですので、持ち運びにはとても向いているのではないでしょうか。
胴の深さは5インチと6.5インチのラインナップです。
MJ-MPS1450WA
MJ-MPS1465WA
<仕様>
サイズ:直径14インチ×深さ6.5インチ
ヘッド:レモ社製スキントーンヘッド搭載
¥173,800(税込)
1465MBの標準マルチリンク・ストレイナーは、②③⑤⑦ の4種で、こちらもウォールナット材胴モデルと同じく、深さ6.5インチの方には、赤いガラスビーズのスナッピーが採用されています。線本数は22本で、ウォールナット材6.5インチ胴に比べて2本多めの仕様となっています。6.5インチの深さを活かした深みのある音色と、ケーブルスナッピー特有の引き締まった音色の両方が兼ね備えられています。
●シック・メイプル・スネアドラム
シェルにはメイプル材(かえで)を使用し、シェルの厚みが12 ㎜もある極厚のメイプルシェルになります。
先に紹介したウォールナット材モデルよりも音は明るいですが、この極厚シェルを使う事により、より響きがタイトで引き締まった音色にチューニングできるのが魅力です。ウォールナットモデルよりもメイプルモデルの方が、重量はやや重めの仕様となっています。
こちらのモデルも胴の深さは5インチと6.5インチのラインナップです。胴の深さは5インチと6.5インチのラインナップです。
●メタル・シェル・スネアドラム
キャスト・アルミニウム・スネアドラム
ソリッドアルミニウムから削り出して作られた、厚さ2.5mmのアルミニウムシェルです。
見た目の印象とは違い柔らかな音色ですが、アルミシェルならではの軽快で引き締まった響きがします。
胴の深さは5インチのみのラインナップです。
MJ-MPS1450AL
<仕様>
サイズ:直径14インチ×深さ5インチ
ヘッド:レモ社製コーテッド・ディプロマットヘッド搭載
¥195,800(税込)
1450ALの標準マルチリンク・ストレイナーは、③⑤⑥⑨ の4種
アルミシェルの特徴として、音色がかなりタイトになるので線本
数は最多の24本を使用しています。木胴シェルモデルと比べて
みると、やはり歯切れの良さが際立っている響きだと思います。
ビーデッド・ブラス・スネアドラム
真鍮製のシェルを使用し、エッジ付近に絞り加工(=ビーデッド)を加えて成型したシェルです。
ブラスシェルらしい明るくボリューミーな音色で華やかな響きが特徴。本体自体もやや重めの仕様です。
胴の深さは5インチのみのラインナップです。
MJ-MPS1450BR
<仕様>
サイズ:直径14インチ×深さ6.5インチ
ヘッド:レモ社製ファイバースキン3ディプロマットヘッド搭載
¥193,600(税込)
1450BRの標準マルチリンク・ストレイナーは、③⑤⑦⑩ の4種
こちらもアルミシェルモデルと同じく、線本数は最多の24本を
装備しています。アルミシェルと比べると、ブラスシェルの方
がやや響きに暖かみを感じました。
紹介した上記6 機種全てに共通して言えるのですが、4 本装備できるケーブルの配列で、主に真ん中の2 本が楽器の核となる音色を形成し、両端の2 本が特色の違いを表現できる仕様となっています。
標準装備されているスナッピーの配置を変えてみるだけでもかなり響きが変化するので面白いと思います。スナッピーの配置配列もチューニングキィを使って自由にカスタマイズできますので、標準装備配置のまま使い続けるのもOKですし、自分で配置をアレンジして使用できる事もこのスネアドラムの魅力のひとつです。
■まとめ
今回、試奏をしてみて感じた事は、どのモデルもスネアの歯切れが素晴らしく、スナッピーは全面当たりの仕様らしい繊細な音の表現も可能で、それでいてPPP ~ fffの反応もとても良く、更には別売りのスナッピーを交換する事によって、気軽に自由にカスタマイズ出来るとても自由度の高い、そして凄く面白いスネアドラムでした。
またお値段の方も全6種ハイスペックな機種にもかかわらず、比較的手に入れ易い価格帯となっているのも人気の秘訣かもしれません。
日本ではまだまだ馴染みの浅いとても個性的なストレイナーシステムを搭載していますが、手に入れた瞬間から自分好みの音にカスタマイズできる1台として是非、ご検討してみてはいかがでしょうか?皆さんの今後のスネアドラムLIFEをさらに豊かにしてくれる事、間違いなし!!
※この記事は2020年10月10日発行「JPC 166号」に掲載された記事に加筆・修正を加えたものです。一部掲載当時の内容のまま記載されている部分がございますので予めご了承願います。